【国民年金】とは生活の安定を維持するための仕組み

国民年金は、すべての国民を対象にした生活の安定を維持するための仕組みです。老齢、障害、死亡によって所得が減ったり、なくなった時に必要な給付を行います。

よく、「自分たちが歳をとった時は年金なんかもらえない」って言いますが、そんなことはありません。年金は国民の義務です。きちんと収めて老後の生活や障害を持つかも知れない自分と自分の家族のために将来に備えましょう。

老後の生活を支える公的年金には「国民年金」と「厚生年金」があります。このうち、日本に住んでいる20才以上60才未満の方が必ず入る義務があるのが「国民年金」です。

国民年金に入っていると現時点では65才から「老齢基礎年金」を受け取れます。仕事をしていて収入のある現役時代でも、加入者が障害を負えば「障害基礎年金」をうけとれます。

この国民年金の受け取り方法ですが、意外と知らない方も多いですよね。国民年金は通常、65才になる三ヶ月前に年金を受け取るために必要な「年金請求書」が送られてきます。年金請求書と必要書類を準備し、年金事務所や市区町村に提出します。

気になるのが、年金っていくらもらえるのか?その支給額ですよね。年金の支給金額は年金を支払った時期、つまり加入期間で変わります。20才から60才になるまでの40年間、きちんと払い続けた方がもらえる金額は、年間で約78万円です。月額で割ると六万五千円くらいです。

たったそれだけ?と言いたい気持ちもわかります。でも、考えてみてください。年間78万円を65才からもらえて、平均寿命が男性が80.50歳、女性が86.83歳です。男性の方で平均寿命まで生きるとすると、65才から80才の15年間x78万円で1,170万円。女性の86才だと21年間x78万円で1,638万円となります。結構な額ですよね。

自分が現役時代に貯めた貯金だといつか底をつきますが、年金は亡くなるまでもらえるという底なしの資金であり、自分にとってはもちろん、介護する家族にとってはありがたい収入源となります。もし、100才まで生きれば・・・2,730万円ですからね。

また、年金は国民全員加入の国民年金(基礎年金)と、その上乗せになる厚生年金や国民年金基金などの2層構造になっています。基礎年金部分は上記のように全員共通ですが、務めていた企業や職業などで保険料の支払い方法や受け取る厚生年金の支給額が異なります。

ただし、国民年金は納めていた期間や免除が認められていた期間が25年以上ないと、1円ももらえないのでご注意を。保険料の未納がある場合、時期によっては追納ができるのできちんと現状を把握しておきましょう。

よくある問題として、学生納付特例期間などで国民年金保険料の納付を猶予・免除されていた場合、追加で納付しないと老齢基礎年金を満額で受け取れることができません。学生時代の時は、ほとんど年金については親まかせで、知らずに未納期間が生じているケースが非常に多いです。定期的に送られてくる「ねんきん定期便」できちと現状を確認することが大事です。